No.221⌒★【鎌倉市】鎌倉文化財一般公開デーの予習
【建築遺産のlog!】第221号
2018年9月11日
今年もまた、文化財一般公開の秋がやってこようとしています!
鎌倉市の普段公開していない4つの施設も、毎年一般公開をしています。
普通は11月3日の文化の日に行いそうなものだけど、鎌倉の今年の一般公開は10月のはじめ。
各所公開する日程はバラバラですが、10月6日に行けば全施設見ることができます。
・大佛(おさらぎ)次郎茶亭 10月6日(土)10時~16時
・吉屋信子記念館 10月1日(月)~3日(水)、6日、13日、20日、27日の土曜日10時~16時
・旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)10月6日(土)、7日(日)10時~16時
・旧華頂宮邸 10月6日(土)、7日(日)10時~15時
という情報が出ています。一度に全部回れるのは10月6日のみ!7日はふたつしか回れず、他の日はひとつしか回れません。何でこんな日程になってるんだろう…。
ぜひ、各所、効率的に回りましょう。
10月6日に全箇所回るとして、どういう行き方がいいか、考えてみました。
9:30
4ヶ所もあるので早めに行動を開始します。
9時半には鎌倉駅に到着したいところです。
まず、鎌倉駅に着いたならば、金沢文庫行きのバスに乗り、「浄妙寺」バス停下車。
そこから報国寺を横目に見つつ、華頂宮邸へ向かいます。
10:00
華頂宮邸は滞在時間30分もあれば隅々まで見られるでしょうか。そんなに広い家でもありません。
10:30
浄妙寺のバス停は混んでストレスを感じるほどなので、歩いて鶴岡八幡宮方面へ向かいます。
途中まではぜひ田楽辻子のみちを使いましょう。
途中からは204号線の道を鶴岡八幡宮方面へ。
鶴岡八幡宮入り口の手前で左に曲がり、大佛次郎茶亭へと向かいます。
11:00
大佛次郎は「鞍馬天狗」などの作品を書いた小説家。
出身地の横浜の山手にも記念館が建っています。
この茶亭には、学生さんなどたくさんのスタッフが狭い庭に密集していて、とても落ち着かない一般公開でした。
客より明らかにスタッフの数が多いのでゆったり見ることもできません…!
全体的に細い部材で構成されているのが特徴だ、とのことでした。
確かに、地震などには頼りなく感じるほど柱や梁がほっそりしていますね…。
まあ、多すぎるスタッフが落ち着いて見させてくれないので、せいぜい10分もあれば見終わるでしょう。
11:10
とりあえず、参道か小町通りあたりで昼食でも食べましょう。鎌倉は時間が勝負。昼を過ぎるとどこも大混雑します。
12:00
3つ目の目的地、旧川喜多邸別邸は小町通りの鶴岡八幡宮側の一つ手前ぐらいの道を線路方面に曲がるとあります。
川喜多別邸は後ろが山になっていて、そこにぽつんと建っていました。
鎌倉の邸宅は海が見える高台に建てられてることが多いですね。
歩こう会のたくさんの人たちと重なってしまったので小さな邸にたくさんの人が密集していました…(後ろにわらわらいる)。
邸宅と言っても小さな家です。光天井のような天井でとても明るい部屋になっています。
12:30
小さな邸宅なので30分もあれば見終わるでしょう。
鎌倉駅方面へ歩いていきます。
鎌倉駅からは江ノ電に乗車します。2駅先の由比ガ浜駅へ。
由比ガ浜駅からは北の方向へ(正確には北西へ向かって北へ進んだのち東へ)。
徒歩5分で最後の一般公開、吉屋信子邸に辿り着きます。
13:30
吉屋信子邸の数寄屋建築の門。
一般公開の日だけ開きます。
開いてない日でも美しい塀は見ごたえがあります。
門から入ると広い庭があり、
吉屋信子邸が見えてきます。
神奈川県の数寄屋建築といえば、吉田五十八!ということでここも吉田五十八設計の建物です。
近代建築でありながら、国登録の有形文化財にもなっていました。
建物の配置計画もなかなかすばらしいものがあります。
吉田五十八氏らしい和室のデザイン。
欄間障子と気持ちよさそうな縁側。冬はあそこで一日中外を眺めていたいですねえ…。
そしてここが作業場。
吉屋信子は小説家で、少女小説などを書いていました。
自分の同性愛体験を書いた「屋根裏の二処女」などが代表作となっています。
それにしても白を基調とした未来をイメージさせるような部屋です。
一番北にある部屋にも関わらず、光がさんさんと降り注いで明るい部屋になっています。
14:30
見学終了、帰路へ。たくさん歩くので多少疲れると思います。早めに家に帰ってビールでも飲みましょう(*‘∀‘)
秋のお散歩としてぜひ4つとも回るといいと思います。
とりわけ吉屋信子邸と華頂宮邸は見ごたえがあると思います。
吉屋信子邸から鎌倉文学館に行ったり、川喜多邸から川喜多映画記念館に行ったりしてもいいですね!