No.206⌒★【日立市】芝居をしたい共楽館/助産院ばぶばぶ
【建築遺産のlog!】第206号
2018年6月23日
共楽館
高萩市を離れて、日立市の方へ南下してきました。
日立駅から山の方へ車で向かうと現れるのが、この共楽館です(バスも1日に数本ぐらいはあるかも)。
むかーしむかし、
日立鉱山がこの付近で銅や鉄鋼を掘り出していたとき、労働者やその家族向けにこの劇場が建設されたのが最初です。
その頃は鉱山の労働者で人があふれるほどいたらしいですが、昭和40年(1965年)に鉱山が閉山となってしまったあとは単なる山裾の一集落になっています。
日立製作所はこの鉱山の修理を担当していた部門でした。それが独立して巨大な電気機器メーカーに発展していったんですね。
これが共楽館。
建物は国登録の有形文化財になりました。
現在は日立武道館として存続していますが、たまに地域活動で舞台や映画の上映も行っています。
屋根の破風が美しい、外壁は完全リフォームされた歌舞伎座みたいな建物です。
この日は映画の上映を行っていて、たくさんの人が中にいました。
受付に行くと、
「映画を見に来たのー」と聞かれたので、
たまたま通りがかっただけです、と答えたらとてもがっかりされてしまいました(*´Д`)。
映画を見に来て欲しかったんですね…。映画を見に来た、と嘘を言った方がよかったのかなあ。
受付にいたおばちゃんがとても気さくな方で、建物に興味があると話していたら、入ってはいけない裏側まで連れて行ってくれました!
1階から2階へつづく、古めかしい階段があって、2階に昔のお客さんの待合所があったようでした。
外観は新しい感じがしますが、中の入っては行けない部分はまだ当時のまま。
ところどころ朽ちていたり隙間があいていたりで時の流れをそこでは感じることができました。
武道館の天井は格天井で組まれていて、味わいのあるものでした。他は武道館仕様に造られ直された感がありますね…。
建物自体は立派なものですが、かなり手を加えられていて、それが有形文化財に留まっている理由だと思います。
認定NPO「共楽館を考える集い」さんたちは、ゆくゆくは武道館としてではなく、昔のように舞台など芸術の場として再生していけたらいいなーという野望をお持ちでした。
その場合、また昔のように演舞場を組みなおして、2階にあった待合所も改装して、元の建物として建て直されるのでしょうか。
そんな風になったらいいなあ、と思いつつも、人が大幅に減って寂しくなったこの集落を見て、その道のりは困難なものになりそうだ、と感じました…。
★auraの子育て日記
助産院ばぶばぶ
助産院ばぶばぶというところに行ってきました。
横浜から新横浜で下車、そのまま新幹線に乗って新大阪へ、そして御堂筋線という地下鉄に乗り、天王寺を越えて昭和町という駅で下車、そこから徒歩10分弱ぐらい…。
えらい遠かったです。(そりゃそうだ…)
昭和町という昭和にタイムスリップしたような古民家がたくさん建ち並ぶ町で、
助産院ばぶばぶもそんな古民家になっていました。
道路から入って行ったいわゆる旗竿地に建っていますが、とても美しいアプローチに導かれます。
助産院ばぶばぶは、かなり人気の助産院で僕たちみたいに全国各地から来る人も多く
助産師さんは「みんな何考えてんやろうねー」と冗談めかして言っていました。
助産師のHISAKOさんはなんと10人の子を産んだ助産師の鑑。そんな経験をお持ちなのもあって、育児相談に全国から訪れるんでしょう。
古民家の中はすぐに居間があり、居間の中にしきりがあって、その仕切りの中が相談コーナーでした(助産院ばぶばぶは相談専門の助産院)。
居間は黒畳のシックな和室で、日本的な庭も見られてとても落ち着く場所でした。(相談コーナーでおっぱいマッサージとかしてるから居間の写真は撮れませんでした)
大阪人的な陽気なノリの助産師さんの楽しいトークと、確かな腕前のマッサージや育児相談を受けて(妻が)、助産院をあとにしました。
1日かけて来た甲斐はあったと思います。娘はここにいる間なぜかずっと泣き通しでしたけどね…。
ここを出たあとは同じく古民家に店を開いているおうちカフェという洋食屋さんに行ってきました。古めかしい古民家でしたが、出てくるのは本格的なフレンチ。
値段も安め。
親戚の家にでも遊びに来たかのような落ち着く店内。
なんと言っても赤ちゃん連れだとハイハイできる和室だというのが良かったです。
古民家もいいなあ、と思った一日でした。