建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.181⌒★【佐倉市】教育のまち佐倉

【建築遺産のlog!】第181号

2018年3月27日

  

いつもいつも、同じ千葉県北部の水郷・佐原(香取市)と地名が混同してしまうんです…佐倉市。

 

何となく、マイナーな町なんですが、行ってみると意外と観光都市だったということに気付きます。

 

佐倉市は、東京駅から総武線で1時間程度で行ける、東京通勤圏に入るか、入らないか、というぐらいの街です。

 

1時間程度なら入るかな…?

ぼくの通勤時間は今は1時間30分です。

 

佐倉市へは京成線でも行けますが、京成佐倉とJR佐倉駅は結構離れたところにあるので注意が必要です。

 

JR蒲田駅と京急蒲田駅、またはJR久留米駅と西鉄久留米駅ぐらい離れています。

もはや全然別の駅。

 

 

 

今日降りたのは、JR佐倉駅。

 

駅の南側は大きな建物がパチンコ屋ぐらいしかない、千葉茨城あたりの内陸部になぜかよくある駅の風景。

 

駅の北側は大きな建物が何も無い、まあいわゆる住宅地です。

 

昔々はもしかしたら商店街だったのかなーというストリートはありますが、食べるものにも困るほど寂れています。

 

この辺り、どちらかというと、京成佐倉の方が栄えていますね。

 

堀田邸

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JR佐倉駅から北東に500mぐらい歩いて行ったところにある、堀田邸。

 

堀田邸はもともとものすごく広い敷地だったと思いますが、

向こうに見えている佐倉更生園に敷地提供していたせいで小さくなったものの、それでもすごい広さ!

 

いったい元々はどれだけ広かったんだ、と言いたくなる敷地にこれまた広い建物が建っています。

 

堀田邸は佐倉藩の最後の藩主堀田正倫によって建てられた邸宅で、東と南と西は丘の斜面になっていて(堀田邸は丘の上に建っています)、

北側だけからアクセスできるという、半ば閉じたような敷地にあります。

 

その北側も佐倉更生園によって閉じられているので、今は四方とも閉じられた空間になっていますね(*‘∀‘)。

 

おそらく眺めも良かっただろうし、人が入ってこれないので落ち着いたいい環境に邸宅を建てたものです。

 

 

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堀田邸に入ると、それはそれは丁寧に、ボランティアさんが説明してくれます。

 

家主の堀田正倫さんは、農業の振興をしたり、佐倉相済社という靴の製造業を始めたり、学校の建設を推進したり、明治になって盛んに活動しました。

 

佐倉高等学校

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堀田正倫が寄付したという佐倉高校(千葉県立)。

 

佐倉高校敷地は基本的に立ち入り禁止だと思いますが、土日祝日は、この記念館までは入ることができます。内部は立ち入り禁止。

 

「さくら」高校というだけあって、桜の欄間、建物全体の色も桜色です!

 

明治43年(1910年)築、木造校舎で銅板屋根。

 

屋根に乗ったミニドームが特徴的なこの建物は今は管理棟として使用されています。

 

藩主自ら教育振興に努めただけあってか、佐倉高校の偏差値は70超え!

 

堀田正倫の教育の振興は今のところ大成功を収めているようです。

 

 

 

佐倉高校は文科省に指定されたスーパーサイエンススクールで、

ここは理数系メインの学校のようです。

 

実践的な学問が重視されてきたんですね。

 

佐倉順天堂

 

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堀田邸から北東に、佐倉高校からは南東に行ったところにある、佐倉順天堂。

 

ここも、堀田正倫の父で老中だった堀田正睦が招へいした佐藤泰然という人が、医学の教育を行っていたところです。

 

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佐倉順天堂はいろいろあったのち、東京・本郷の順天堂大学の元となっていきました。

 

「順天」とは天の道に従って背かないことを意味するそうです。

 

今の順天堂大学も、「人ありて我あり、他を思いやり、慈しむ心」を基本として教育を行っています。

 

 

この佐倉順天堂も、それはそれは丁寧なボランティアの方の説明を行って頂けます。

 

佐倉市は、観光ボランティアにものすごく力を入れてますね。

 

ボランティアは自治体によって、力を入れているところと放置主義的なところとあって、

佐倉市は最も力を入れている方だと思います。

 

「教育」に重きを置いた佐倉では当然のことなのかもしれません。