No.93⌒★再建新築吉田茂邸【大磯町】
池の向こうに見えるのが、新築された吉田茂邸。
この心字池を中心とした
池泉回遊式の庭園
になっています。
その、中心の肝心の池は、茶色ににごって汚れきっています…(;´Д`)。池以外はきれいですよ、何せ新装した公園なので。
庭園自体は中島健という人の設計です。
お堂の向こうに見えるのが、新築された吉田茂邸。
お堂は七賢堂と呼ばれ、七賢とは岩倉具視・大久保利通・三条実美・木戸孝允・伊藤博文・西園寺公望・吉田茂のことだそうです。
吉田茂像の向こうに見えるのが、大磯の長いロングロングビーチ。
像は大磯の海を見ず、自邸も見ず、遠く遠く平和条約を結んだサンフランシスコを向いています。
美しい庭の向こうに見えるのが、
吉田茂邸。
公園の入場料は無料ですが、吉田茂邸は500円の入館料がかかります。
総理大臣になったのが、1946年。つまりこの家は吉田茂が頂点に上り詰めたその頃に建てられ、日本の戦後を支えて来た家でもあります。
その後、火災により吉田茂邸は焼失、2017年の4月に一部を再建した形で旧吉田茂邸としてOPENしました。
吉田茂って、高度成長期の人だったか、安保の頃の人だったか、と思ったら戦後すぐの人だったんですね。
この公園を訪れる人たちは、ある一定の年齢層の人たちがほとんどです。
リアルタイムじゃなくても親世代あたりから、吉田茂のことを聞かされて育ってきた世代の方がたくさんやって来ていました。
食堂。
ここは広い庭園が一望できる一等地です。
食堂の壁は柔らかいビニール地になっています。
天井に透明の防煙の垂れ壁みたいなものも設けられていますね。住宅というより博物館などの用途でしょうか。
火災報知機もエレベーターも完全装備。安全性、バリアフリー度は増していますが、その分どこまで忠実に再現してあるのか分かりにくいところもあります。
バリアフリー法は時として、文化を破壊します。
2階の金の間は寄棟みたいな舟形天井。金色の目地、ナチュラルブラウンの木材。
非常照明などは目障りです。
襖引手は金色、金箔を散りばめています。
その隣の銀の間は平天井。銀色の天井、続き間なので床材は同じ。
金の間と銀の間の間は下がり天井になっていて、天井仕上げを切り替えています。
襖は銀箔を散りばめていますが、引手は真っ黒です('Д')。
銀色じゃないんだ…。
金の間、銀の間のある新館は吉田五十八による設計です。
掛かっている額は、
人々の知識を開いて世の中の事業を成就させることの意味、
それでもって東大合格者数が最も多い、開成高校の名前の元ともなった言葉、「開物成務」と書いているのだと思います。
ちなみに、設計の吉田五十八は開成中学校の卒業、施主の吉田茂は開成学園とは無関係の人物です。
まさか、自分の学校の言葉を吉田五十八がここに掲げたんでしょうか…。
吉田茂はサンフランシスコ平和条約という、世の中の事業は成功させましたが、
バカヤローの一言などで、支持を失っていきこの家の求心力も無くなっていったのです…。