No.125⌒★廃墟の構造美【都城市】都城市民会館
都城市へやってきました。
都城市は鹿児島県と宮崎県の県境にある市で、宮崎県側の市。
そして薩摩の島津氏の発祥の地でもあります。
江戸時代を通じても薩摩藩領だったんだから、鹿児島県でも良さそうなものですが宮崎県なんですね。
西都城駅から西へ約1㎞のところにある兼喜神社は、島津家の一族、北郷氏の北郷相久を祀っています。
北郷氏の家紋は、島津家本家と似ていて、丸に十字ですが、
島津家本家の家紋と比べて、丸と十字の間にわずかに隙間が空いていますね。
ちなみに、鹿児島市のマークは、島津家の家紋と日立の社標を混ぜ合わせたようなマークになっています。
兼喜神社は県の有形文化財で、権現造りの建物。
権現造りということは、手前から拝殿・石の間・本殿と連なっているのでしょう。
傷みの大きい社殿でもあります。
西都城駅から東の方へ行った時に見つけたこの異様な建物は…。
一体何の建物なんでしょう。( ˙-˙ )
工場かな?
バッティングセンターかな?
アコーディオンのように伸び縮みしそうな丸い屋根…('Д')
それは巨大な廃墟でした…('Д')
タクシーとかが勝手に休憩所として使っているみたいです。
コンクリートの土台に鉄骨屋根が乗った建物で、
(元)都城市民会館という建物だったようです。設計は九州が生んだ名建築家・菊竹清訓氏。
建物から出ているダクトが鉄骨で組まれた作業台の上に出て来て…というよく分からんが大げさなデザイン。
扇のウィングは等間隔ではなく、その間の壁のデザインも定型のようで定型でなく、
階段の目地は階段に合っていないし、何だかよくよく見ると大雑把なデザイン。
階段のギザギザの形は天井を伝って、正面玄関前の天井にまで及んでいます。
それを力強くRC梁が受け止めています。
階段へ至るスロープは苔むしていました。
これはこれできれいなスロープですね。
反対側の階段のデザイン。
樹木のような手すり。
階段のギザギザの形が壁や、奥のサッシ?にまで及んでいます。
こちらは構造美というより、繊細な印象です。
軽快な階段、重い階段、重い階段と連なって行くのです。
そういえば、反対側の階段も、そこに至るのは金属製手すりの軽快なスロープでしたね。
この建物は、真ん中のコンクリートの床がアコーディオンみたいな鉄骨の蓋を受ける、コンクリートの力強さを強調して造られているように見えます。
庭園らしきものも、廃墟になっていました。
使いみちのない廃墟のようにしか見えませんが、宮崎の大学が2027年まで賃借しているので、それまでは取り壊しとはならないようですが、
その後どうなるのかは分からない建物ですね。