No.72⌒★東工大王国【目黒区】大岡山駅
【建築遺産のlog!】第72号
2017年3月15日
壁面を這う緑化が印象的な東急病院が乗っています。
設計は、東急と東工大の安田幸一研究室他によるものです。
その、東工大は、大岡山駅を出てすぐのところにあって、敷地へは自由に出入りすることができます。
学生はもちろん、子供を敷地内で遊ばせてる家族も多くて、和やかな雰囲気の学内です。
部室棟からは何かの楽器の音が聞こえ、3月末にもなるとたくさん植えられている桜も楽しめるでしょう。
門を入ってすぐのところにある、東工大附属図書館。
これも、東工大安田幸一研究室による設計です!
見ただけで痛そうな鋭角の建物は苦手ですが、きれいな形はしています。
その、鋭角の建物の先にあるのが東工大の本館。国登録有形文化財に登録されている建物です。
1934年昭和9年築。
シンプルに白のスクラッチタイルの本体と、石貼りの車寄せ部分のアーチ。鉄骨鉄筋コンクリート造の4階建て。
設計はやはり東工大の当時の建築学科の橘教授によるものだそうです。
東工大は工業の大学だけあって、化学、機械、電気、金属、繊維、建築、それと経営も工学の一員で、どれも優秀な工学系学科になっています。
偏差値は68以上!( ノД`)とても入れそうにはありません。
去年は東工大の大隅教授(生物学)がノーベル賞を取ったことでさらに有名になりましたね。
裏から見た本館。
裏にも同じ位置に時計があります。
左右対称。
このショッカーの秘密基地みたいなマークは、東工大のシンボルマークです。
これは、東工大の「大」の字をデザインものですが、なぜ、よりによって大を図形化したんでしょう。
大の字は、どこの大学にもあるのです。普通は、「東」をデザイン化しませんかね。
本館裏にある、この低層の新築の講義棟も、安田幸一研究室による設計です!
宙に浮いたアーチ。
コンクリートでありながら、軽やかなイメージを…というコンセプトかもしれません。
安田幸一研究室のページを見ると、東工大緑ヶ丘の建物の大規模修繕だとか、准教授の家やらの設計にも関わっているのが分かります。
東工大に関係する建物の設計は、多くは東工大内部だけで完結しているのです。
大岡山西一号館(旧分析化学実験室)の建物。留学生センターとも書いてあります。
これも国登録有形文化財。
石貼りとスクラッチタイル貼と時計の組み合わせは本館と同じ。ミニ本館という感じもします。
似たような感じですが、こちらの方が窓のアーチや装飾など、細部まで細かくなっている気がします。
竣工は1931年、設計者は東工大の復興部になっています。
復興とは、関東大震災からの復興ですね。
東工大は数ある工学系学科の中で建築だけ抜き出しても古い歴史があり、
優秀な教授がいらっしゃることがわかります。
新旧の建物が入り混じりながら、調和よく存在していました。