No.14⌒★中国人たちの眠る場所(横浜市中区)
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横浜市の中区は、神奈川県庁や横浜市庁もあり、さらにショッピングエリアの桜木町や伊勢佐木町、ビジネス街の関内、横浜港から、元町地区、物流の本牧地区、飲み屋街の野毛町、風俗街からアートの町になりつつある黄金町まで、中区だけで横浜市のすべて、と言っても過言ではない行政区です!
あとは横浜と言えばせいぜい巨大ステーション横浜駅を擁する西区や、新幹線とラーメン博物館の港北区、八景島シーパラの金沢区などとありますが、中区の充実度と比べると見劣りするかもしれません。
もちろん、建築遺産も抜群の集積度を誇ります。
その中でも超マイナーなスポットから回ります。
古い住宅街に突然現れる中華風の建物、地蔵王廟。
駅で言うと、山手駅か根岸駅かな…?不便なところに立地します。
明治の開国により、アメリカ人やイギリス人だけでなく、中国人もこのあたりに居留地を構えました。その中国人たちが眠っている墓地です。
地蔵王廟は中国の方を向いて建っている、、というわけではなく北東の港を臨んで建てられていました。
南京墓地とも呼ばれ、建物も南京のある華南地方特有の形式で建てられている、ということです。
ヨーロッパ人のたくさんいた香港やマカオが南京と近いのでその関係でやって来たのでしょうか。
中庭があり、その向こうに祭壇があります。カンフー映画などに出てきそうな雰囲気です。
仏像の上に書いてある文字は、「地蔵王菩薩」。
Wikipediaによると、「主に死後の(地獄からの)救済を願って冥界の教主として信仰される。」と書いてあります。
地蔵菩薩が閻魔と同一のものだ、という信仰から、死後を司る存在となっているようです。
閻魔と同一なら、地獄に行くこともあるんですかね…?
どうせなら天国へ必ず行ける墓地へ埋葬されたいものです。
なかなか内装も凝っていますね。
あまり有名でないためか、墓にお参りする人以外は誰もいません。
年代:1892年明治25年
構造:木骨煉瓦造
★★
そこから歩いて歩いておしゃれタウンの山手地区へやって来ました。
外交官の家は結婚式で入れなかったので飛ばして、
その近くにあるブラフ18番館へやってきました。
この家はオーストラリア人のブラフさん、、が住んでいたわけではなく、オーストラリア人のバウデンさんが住んでいました。
「ブラフ」は英語で、騙す、とか絶壁とかいう意味があり、ここは「絶壁」の意味でしょうね。
確かにかなり高台の縁に立っていて、長い階段と坂を登ることになります。
各窓に取り付けられた濃い緑色の鎧戸が鎧を開いて出迎えてくれます。
建物の中ほどにグリーンの水平ライン、屋根の先にもグリーンの樋ラインが回っていてきれいなデザインです。
騙す18番館 絶壁18番館は中はそれほど見るところはないようです。外壁よりは薄いグリーンで統一されていて落ち着いた部屋が連なっていました。
籐椅子もグリーン。
このあと43人の団体様ご一行が到着されて溢れんばかりの部屋になり、すぐに退散させられました(T_T)
◎ブラフ18番館
年代:大正末(平成3年移築復元)