No.176⌒★乳児と一緒に前橋へ初めての旅行に行こう-1臨江閣
【建築遺産のlog!】第176号
2018年3月10日
生まれて初めての旅行
子どもが生まれてからの初めての旅行(生後6か月)は群馬県前橋市にしました。
今は横浜市在住なので、横浜駅からは、前橋まで2本の電車で行くことができます。
上野東京ラインの高崎線で高崎駅まで行って、そこから両毛線へ乗り換え。
横浜から前橋まで在来線特別快速でも2時間39分。
げんなりする時間の長さではありますね(;´Д`)お金がある人は新幹線の方がいいかも。
行きは横浜から、大宮で一旦下車しておむつ交換や授乳や食事ののち、前橋へ向かうことにしました。
大宮駅ほどの巨大駅だったら、授乳室はあるだろうと思ってたら、ありませんでした。あるのは新幹線の乗り場の方…。
在来線の切符しか持ってない乗客は利用できません。
子どもが泣きださないうちに、目的地へ到着しなきゃ、ということで急いで駅弁を買ってすぐに出発することに。
高崎線直通電車は休日はグリーン車料金780円で乗っていけるので、グリーン車に乗車して行きます。
高崎線のグリーン車は主に通勤客向けに設計されているので赤ちゃん連れにとっては使いづらいことこの上ない車両です。
おむつ替えシートはなく、授乳室はもちろんなし。
ベビーカーのまま乗り込める座席が埋まってると、子供とベビーカーを抱えて階段移動を強いられたりします。
さらにベビーカーを置くところもないので座席の前に置くことになったら、ほぼ身動きがとれなくなります。
どうにかして端っこの席の、後ろにベビーカーを置ける席を確保しないと(リクライニングはできなくなるが)、窮屈な旅になってしまいます。
そしておむつ替えシートすらない、ということは、
もし、乗車中にうんちでも出ようものなら、子供に我慢させるか途中下車しておむつを替えられる場所を探しに行くことになりますね。
…という数々の大変さ困難さはありますが、行きはまだ朝だったこともあって、子どもはご機嫌でそれほど問題なく前橋まで行くことができました。
寂しい駅前の前橋駅
……前橋駅前は一見きれいな駅前に見えますがよーくみると、寂れた街並みです。
ロータリーはとてもきれいに整備されていてたくさんのバスが行き交います。
でもロータリー以外には、特に何もない寂しい風景が広がっています。
駅前の旧イトーヨーカドーの「エキータ」は、2年前ぐらいに来た時は3割ぐらいしかテナントが埋まっていない、悲しいビルでしたが、
今回来たときは、テナントは1割ぐらいに減っていました。
2年前に来た時は、エキータの旗艦店は、コンビニ「セーブオン」( 'ω' ;)、今の旗艦店はパチンコ屋です。
元々イトーヨーカドーだったため広大過ぎるスペースの1階はパチンコ屋に至る導線のためだけにあるような階になっていました。
入って正面がパチンコ屋へ行くエスカレーター。
左がセルフサービスのそば屋。
右が元旗艦店のコンビニで、右奥は空きスペース。
エスカレーター奥は空きスペース。
左奥は空きスペース。
エスカレーターの手前も空きスペース…。
行き過ぎた車社会にしてしまうと、こうなってしまうんだなあ、と妙に納得しながら
行くところもないので、前橋駅前からはすぐに離れました…。
前橋駅から徒歩で30分ほど行くと、臨江閣という建物があります。
(写真は群馬県庁32階展望台から)
前橋市は碁盤目状に町割りがされているようなので、あまり迷わず行けますね。
駅を出たら遠くに見える高層建築の群馬県庁を目指して歩きましょう。
群馬県庁の向こうにある、昔厩橋城だった公園を抜けた先が、臨江閣。
前に来たときは覆いがかかっていて、整備中でした。
あれ?建物の前の大きな木2本は撤去されたのかな…?
それから2年も経てば改修工事も完成します。
立派な建物が、覆いの中から現れていました。
水の無い庭園。枯山水?
前回は水が池に入っていてきれいだったのに…。
まだ、もしかして工事は進行中なんでしょうか。
きれいになった床下には早速ネコが住み着いていますね…。
本館は別館と続いており、やや地味にも見えます。
本館が建てられたのは明治17年(1884年)、立派な別館の方は明治43年(1910年)に建てられました。
玄関は、庭の裏手にぐるっと回ったところにあります。
屋根にはしゃちほこも乗っている立派な玄関。
ベビーカーは玄関に置いて、抱っこなどで移動することになります。
玄関入ってすぐの別館の見どころはやはり、この大広間。
ただ、ライン照明が一直線に入っていたり、空調が目立っていたり、美しさは損なわれています。
宴会をしたり、結婚式の会場としてはすばらしい会場になりそう。
大広間へは擬宝珠付きの大階段で登っていきます。
渡り廊下を渡って、本館の方には、所狭しとひな人形が飾ってありました。
最近お座りができるようになった子どもです。
本館2階は、明治・大正天皇が演習や旅行の途中として宿泊された部屋です。
それにしても上り下りが多くて、8㎏超になった赤ちゃんを抱っこして歩いて回るのは大変です。
本館2階は別館の2階に比べるとずいぶん小さな部屋ですが、
脇にはお付きの者の小部屋が用意されていたり、御簾がかかっていたり、照明が少しいいものだったり、全体にほんのりと高貴な感じがするお部屋です。
将棋の竜王戦も2017年にここで開かれ、渡辺明竜王に羽生善治が挑みました。
ここでの勝敗は渡辺明竜王の勝ち。
竜王戦七番勝負として大船渡市民文化会館や嵐渓荘、指宿白水館などで行われた他の棋戦は全て羽生善治が勝利して7期目の竜王となり、永世竜王の称号も獲得。
同時に史上初の永世七冠となり、臨江閣もその歴史上の舞台のひとつとなりました。
2017年、7番勝負、7期目、7冠、と7づくし。
開かれている会場を見ると、竜王戦って観光地宣伝の要素が強い大会なんですね。
前橋市は大河ドラマ「花燃ゆ」のヒロインの夫ゆかりの場所として臨江閣を大いに宣伝していて、観光地化したいようですが、今のところまだ目的は達成されていないようです…。