No.50⌒★廃墟寸前のレーモンドのクラブハウス【藤沢市】
遊行寺の周りは東海道・藤沢宿のいわゆる宿場町となっています。
宿場町らしい建物もちらほらあります。
江戸時代ではなく、明治時代の建物です。軒が蛇腹状の軒蛇腹(2階の軒が斜め)。
古い町なので寺社もあります。
感応院、の中にある三島大明神。
静岡県三島市の三嶋大社と同じ、みしまという名前を使っています。
源頼朝は、三嶋大社に源氏再興を祈願し、実際にそれを果たしました。
この感応院は1218年、鎌倉幕府成立後の創建。
つまり源頼朝と同じ時期に建てられたもので、場所も鎌倉の隣。
頼朝は東海道の抑えとして、信頼でき実績もある神を呼び寄せたんでしょうか。
このお堂は建物全体が回転することで有名です(基礎が少し浮いてる)。
チベット仏教のマニ車は経文が書かれた円筒形のものを手で回しながら建物の回りもぐるぐると右回り(時計回り)に回って行きますね。
奈良の大仏の周りも、右回りに回って拝観します。
四国88カ所霊場巡りも右回りに準繰りに回って行きます。
仏教関連はどうも、右回りのものが多いみたいです。
そもそも人間には無意識のうちに左回り(反時計回り)に動いて行くことが多いと聞きます。400m走などの陸上競技は左回り、コンビニなどの店の作り方も多くは左回り。
左回りは人間に無意識的に働きかける回り方なので、安心感が出ます。
逆に、右回りはそれとは逆に進むので何らかの「意識」が働くのです。
…というわけでこのお堂は右回しに回すといいですね。
悟りか何かを開けることでしょう。
残念なことに、いたずらが多いためか回せなくなってますが…。
少し、北へ上って、小田急江ノ島線の善行駅までやってきました。
レーモンド設計の旧藤沢カントリー倶楽部クラブハウス。
名前の通り、
昔はこの辺りはゴルフ場だったようですが、
今は体育館、競技場などの運動施設が周りをとり囲んでいます。
外壁は非常にぼろぼろ。
メンテナンスなんて一度もされてないんでしょう。
静かに取り壊されるのを待っているといった姿にも見えます。
再生される日は来るんでしょうか。
入るとすぐに大階段があり、
食堂「玉屋食堂」
へと通じています。
ゴルフ場と言えば、重要なのが食堂(*‘∀‘)
ゴルフのハーフを回った後の休憩の1杯!
ゴルフが全て終わった後の1杯!
これを楽しみに来ている人も多いことでしょう(ゴルフは1度しかやったことないけどあの時のビールは格別だった)。
食堂は元クラブハウスだけあって広く、意外に賑わっていました。
美しい梁と屋根のラインが見えます。
大空間を作るための門型の太い柱と梁です。
右のカウンターでお金を払ってあとは呼び出されるのを座って待ちます。
しかし!残念ながら、今月(2017年1月)で閉店してしまうのです。
50年もの長い間営業してきて、僕がこの食堂の存在を知ったのは49年と12か月が経過した頃…。
初めて入った日が最後に食べた日になってしまいました。
さて、建物があれなので気になるのは味と衛生状態。
懐かしい銀色のトレイに乗ってやってきたカツ丼は……
建物の衛生状態はよくわかりません。
汚いかも…。
味は、少し塩気が効きすぎたかつ丼でした。
とにかくボリュームがすごくて、スポーツをする若者たちが集まってくるのも納得できます。
昔も今も、スポーツで汗を流した後の食事を提供しているのです。
いささか、塩気が多いのはそのせいなのかもしれません。