No.90⌒★住宅街の現代建築たち【さいたま市浦和地区】蔵の灯
さくら草公園は、JR西浦和駅から、西方向。
東方向へ行くと、
ビストロ蔵の灯
があります。
ここは、藤野高志氏が設計しました。藤野氏は生物建築舎という怪しい名前の設計事務所を主宰している方です。
1階がレストラン、2階は見なかったけどギャラリー用途などで使える江戸時代に建てられた蔵の改修です。
思い切って玄関を大きく切り取っていて、蔵にしては中は明るい空間でした。
やはり、横に広げるよりも、縦に広げる方が光は多く取り込めるようですね。
室内の壁は藁がたくさん詰まっている土壁の内装。
天井からも光が降り注いできます。
行ったのはランチで、
ランチはお肉御膳、魚御膳、松坂牛ステーキ定食など4種類から選ぶことができました。
これはお肉御前。
たしか、松坂牛のスジ煮込みがメインの日替わり定食です。肉は口の中でとろけます。
煮込みは煮込んであるのを入れるだけ、
左側は刺身やカルパッチョなど新鮮な魚たちで、盛り付けるだけ、ということなのか驚くほど早く料理が運ばれてきます。
デザート付き1800円は高いのか、安いのか…。
基本は洋食の店だと思いますが、
温かい日本茶、居酒屋風おしぼり、刺身、白ご飯、箸で食べるスタイル、と見ていくとやっぱり和食かも。
ワインは、信州善光寺ワインの「ミュゼ」が出てきました。
食材はもしかすると全て、日本産のものなのかもしれませんね。
ここでは少し、いかつい感じの店員さんが出迎えてくれます。
駅から遠く、お昼は空いているので気軽に行けると思いますよ(*・ω・)/
隣の隣の隣ぐらいには、やはり同じく生物建築舎の彼が設計した長屋があります。
隣の隣の家も多少気になりましたが、民家なのでスルーします。
さっきの蔵のレストランは「鹿手袋の蔵」、
こちらは「鹿手袋の長屋」という作品名のようです。
「鹿手袋」は地名で、「しかてぶくろ」と読みますが、昔は「しってぶくろ」と呼んでいました。
尻手袋とも書けるので、川崎市の尻手のように、尻の方、奥の方という意味でしょうか。袋は袋状の土地(たぶん)。
雨の日は水浴びができそうなくらい、大胆に吐水口が造りつけられています。
外壁を濡らして汚したくないので、こうしたのでしょう。豪快にも見えます。
薄いグレーと、緑の木はいいバランスですね。
サントリーニ島の白壁の横の樹木みたいに、
普通の木でも、美しさが引き立ちます(外壁がきれいなうちは)。
反対側はギャラリーなどの店が建ち並んでいました。さっきの木が低い壁の向こうで頭を覗かせています。
店舗エリアと、住宅エリアが1枚の壁で柔らかく分離しているようでした。
以上、鹿手袋の藤野高志作品群の一角でした。
駅から遠すぎて、全体的に人がいないので、お店たちが存続できるのか、とても心配です…。