建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.179⌒★【太田市】太田市内の新旧住宅3選

【建築遺産のlog!】第179号

2018年3月20日

 

太田市は、古い建築から現代建築まで意外と充実している街で、見ごたえがあります。

 

昔は新田義貞の本拠地、近世になると徳川家発祥の地として栄え、

 

近代には中島飛行機などの企業群が地元経済を潤し、常に発展していた街だったからかもしれません。

 

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[1番目の住宅]OHTA HOUSE MUSIUM

太田市内の治良門橋駅あたりにある、小嶋一浩さん設計の住宅です。

 

2004年竣工。

 

小嶋一浩さんは2016年に亡くなってしまいました。

 

シーラカンスアンドアソシエイツという設計事務所で有名な方ですね。

 

この建物は「OHTA HOUSE MUSIUM」という名前で、その名の通り、1階が個人ミュージアム、2階が自宅になっている建物です。

 

周りは見渡す限り田畑が続く、見通しの良い地域。

 

自分たちもギャラリーの一部になりそうな2階のリビングからはずっと向こうまで田畑が続いているのがよく見えることだと思います。

 

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広い敷地ならではの自由自在に造られた建物です。1階がRC、2階が鉄骨造なんでしょうか。

 

片持ちリビングが庇にもなっています。

 

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[2番目の住宅]片山家住宅

片山家住宅は東武桐生線、伊勢崎線、両毛線のちょうど中央の最も行きにくい場所に建っています。

 

写真の長屋門を含め6棟の建物が国登録有形文化財。

 

右側の小さい門から通常入り、閉め切っている左側の門は格式の高い人が出入りするための門だと思われます。

 

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右の門から入ってまっすぐ行くと、小さい勝手口のような玄関にぶつかり(右の門も立派)、

 

左の立派な門から入ってまっすぐ行くと、むくり屋根付きの立派な玄関に行き当たります(*‘∀‘)。

 

偉い人と普通の人で動線は別。

 

片山家はこのあたりの名主を務めていました。

 

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[3番目の住宅]旧中島家住宅

旧中島家住宅は、太田市の南の端、駅で言うと東武伊勢崎線の木崎駅と細谷駅の間をひたすら南下したところにあります。

 

中島家は…このあたりで有名な、太田市を代表する企業・中島飛行機の創業者中島知久平氏が建てた住宅で、平成28年に国の重要文化財に指定されました。

 

昭和5年頃の建築。

 

 

 

中島飛行機は戦後、富士重工業となり、さらにSUBARUへとなりました。

 

前にも書きましたが、爆撃機呑龍だとか、日本初のジェット機橘花などの航空機を戦前に造っていた飛行機メーカーですね。

 

中島飛行機の技術者たちは、戦後、自動車産業でその腕を振るうことになりました。

 

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天皇陛下でも迎えるのか、とでも思える立派な車寄せが付いています。

 

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廊下とはいえ、天井も、床も、壁もきっちりと仕上げます。

 

年月の経過で多少ボロボロになっているものの、良い材を使っていそうな廊下。

 

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玄関を入ってすぐ右が洋間。

 

第二応接室という名前が付いていました。

 

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つまり、第一応接室もあります(奥の部屋)。

 

第一応接室は玄関からは遠いものの、南の角にあり日の辺りが良くて庭も見ることができたからこの位置にあるんでしょう。

 

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奥の方へ行くと、外へ出られて…

 

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客間(次の間)の棟を外から眺めることができました。

 

利根川が決壊したカスリーン台風での増水で、くっきりと真一文字に染みができています。

 

また、この建物は米軍が接収したので、かなり乱暴に扱われいろいろと改造されてしまいました。

 

米軍は日本全国で貴重な建物を荒らして行く、文化財の破壊者でもあります。

 

ペンキで壁を覆いつくされなかっただけマシというところでしょうか。

 

 

 

客間(次の間)は折り上げ格天井にシャンデリア、カーペットという異色の組み合わせ。

 

いったいどれが米軍の仕業で、どれが建築当時のものか、わからなくなっていました。

 

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どうしてもぼろぼろの内装の方に目が行ってしまいます。

 

きっと高価なカーテンだと思うんですが、雑巾みたいになってしまいました。

 

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こっちが客間。さっきのも客間ですが次の間。

 

雲の上を渡り鳥の群れが飛んで行きます。

 

やはり折り上げ格天井とシャンデリア。

 

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さらに奥にはご隠居さんのお部屋。

 

建物は全てつながっていますが、戸建て住宅のように半独立した格好になっています。

 

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ここも保存状況はあまりよくない様子。(仏間)

 

小ぶりで質素な部屋ですが、全体に雲の絵の襖絵が描かれています。

 

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障子ぐらい張り替えればいいものを…

 

縁側も染みができているし、いい材を使っていたとすると、改修するにはかなりのお金がかかりそうですね。

 

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居間の方も仏間と同じく雲の絵を通しで描かれています。

 

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芝生の気持ちいい庭を眺められる、客間棟。かなり大きな建物です。

 

このように半独立したような建物などが四方にあり、ロの字型をした建物配置を成しています。

 

ロの字型の真ん中部分も池のある中庭になっていました。

 

外観はまだまだ立派。内装をあとはがんばるのみです。

 

[番外編]

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屋根に美紀と書かれた家がありました…(´_ゝ`)

 

 

★auraの子育て日記

 

ぐりぐりになる髪

 

うちの子どもは、寝苦しいと布団の上で頭を激しく振るのでいつしか出来損ないのドレッドヘアのように髪の毛がまとまって立つようになってしまいました。

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よくよく見ると、髪の毛の中にホコリなどが大量に巻き込まれていて、ほどくのは不可能。

 

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結局ばっさりと切り落とすことになります。

 

他の子は…子育てひろばなどで観察してみたけど、そんなドゥルドゥルの髪になっている子はいないようですね。

 

お陰で頭のうしろだけ、少し髪の毛が薄い子になってしまいました…(´Д⊂

 

 

 

一度こうなったら回復不可なので、見つけたらすぐに伐採することにしています。

ほっておくと大きくなっていくんです。

 

そして、今でもタケノコのように次から次へ生えてきます…。