建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.165⌒★【函館市】黄色い縁取りの建物、函館区公会堂

【建築遺産のlog!】第165号

2018年1月21日

 

函館の街を歩いていると、西からやってきたどんよりとした黒雲が覆いかぶさってきて雪がいきなり降りしきり、しばらくするとまた晴れ渡りました。

函館の天気は変わりやすい上に、変わると大変な気候になるんですね。

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函館市電大町駅と末広町駅の間ぐらいにある、小林寫眞館。


建物の前に立っている説明書きによると、

道内にある写真館では最古の写真館らしいです。道内で、しかも写真館限定ってかなり限定された話ですね…。

そしてこの建物も明治40年函館大火で延焼したので2代目の建物となります。

 

何より気になるのはこの坂の上に建っている函館区公会堂と同じような、黄色と灰色(?)の組み合わせの外壁。

函館区公会堂はもう少し水色っぽい色で薄い色をしていますが、同じような組み合わせのデザインをしています。

 

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旧函館区公会堂も黄色い縁取りの建物。

この建物の中へ日本人や中国、台湾、韓国などの各国の観光客が次から次に吸い込まれていきました。

函館区公会堂は、重要文化財。やはり明治40年の函館大火のあとの明治43年竣工の建物です。

こうも明治40年過ぎの建物が多いと、明治40年過ぎには建築バブルが起こったでしょうね。

 

入るとまずは靴を脱いで、上がりましょう。

真ん中にストーブが置かれている広間(大食堂)があって、この建物の成り立ちを学ばされます。

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隣の球戯室は、大正ロマンドレスを着た人たちの撮影室になっていました。

よくよく見ると着付の部屋とかヘアメイクの部屋とかは、小さい部屋なのに人がひしめき合ってます!(他はガラガラ)

まるでここだけスタジオアリスみたいな空間になっていました(ここにいるのはほとんど大人、スタジオアリスはほとんど子供、の違いはあるけど)。

みなさんドレスを着にやってくるんですね。

 

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2階大広間

多少、天井が張りぼてなものの、立派で格式ある建物で、大観光地になる理由もよくわかります。

大正ドレスを着た人たちがたまに恥ずかしそうに紛れ込んできて、踊るでもなくたたずむでもなく、ただ通り過ぎていきました(他の観光客を楽しませんかい)。

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ベランダも、黄色い縁取りで、

何よりも函館の港が一望できる絶好の立地。

港に着いた船乗りからも、この公会堂がよく見えることでしょう。

函館区公会堂は、ランドマークとして派手なデザインで建てられたんじゃないでしょうか。

 

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函館区公会堂のすぐ下には旧函館支庁庁舎の青い建物がありました。

柱の裏にベランダの突き出しがあるという変わった建物。柱に遮られて眺めが悪そう…。

設計も家田於菟之助(いえだおとのすけ)という変わった名前の人が設計しています。

やはり函館大火後の明治42年建築。

 

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開拓使函館支庁書籍庫。

明治13年築。函館大火でも延焼をまぬがれました!さすが貴重な資料を保存する書籍庫だけあります。

 

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近くにある、石積みが美しい旧イギリス領事館も明治40年の大火で焼失しました。

それ以前にも2度焼失していて、ロシア領事館が焼失したのも、このイギリス領事館のせいです('Д')。

この建物はそのために大正2年築。

木造に見えるものの、3度焼失した歴史からか、煉瓦造で建てられました。

 

この付近の建物は、毎度明治40年の大火でどうなったのか、気になってしまいます…。