建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.125⌒★廃墟の構造美【都城市】都城市民会館

都城市へやってきました。

都城市は鹿児島県と宮崎県の県境にある市で、宮崎県側の市。

そして薩摩の島津氏の発祥の地でもあります。

江戸時代を通じても薩摩藩領だったんだから、鹿児島県でも良さそうなものですが宮崎県なんですね。

鹿児島市宮崎市の中間あたりの町なので、微妙なところです。

 

f:id:aurakei:20170822234518j:plain

西都城駅から西へ約1㎞のところにある兼喜神社は、島津家の一族、北郷氏の北郷相久を祀っています。

 

f:id:aurakei:20170822235700j:plain

北郷氏の家紋は、島津家本家と似ていて、丸に十字ですが、

島津家本家の家紋と比べて、丸と十字の間にわずかに隙間が空いていますね。

ちなみに、鹿児島市のマークは、島津家の家紋と日立の社標を混ぜ合わせたようなマークになっています。

 

f:id:aurakei:20170823212244j:plain

兼喜神社は県の有形文化財で、権現造りの建物。

権現造りということは、手前から拝殿・石の間・本殿と連なっているのでしょう。

傷みの大きい社殿でもあります。

 

f:id:aurakei:20170823212917j:plain

西都城駅から東の方へ行った時に見つけたこの異様な建物は…。

一体何の建物なんでしょう。( ˙-˙ )

 

工場かな?

 

バッティングセンターかな?

 

アコーディオンのように伸び縮みしそうな丸い屋根…('Д')

f:id:aurakei:20170823213231j:plain

それは巨大な廃墟でした…('Д')

タクシーとかが勝手に休憩所として使っているみたいです。

コンクリートの土台に鉄骨屋根が乗った建物で、

(元)都城市民会館という建物だったようです。設計は九州が生んだ名建築家・菊竹清訓氏。

 

f:id:aurakei:20170823220225j:plain

建物から出ているダクトが鉄骨で組まれた作業台の上に出て来て…というよく分からんが大げさなデザイン。

 

f:id:aurakei:20170823223207j:plain

扇のウィングは等間隔ではなく、その間の壁のデザインも定型のようで定型でなく、

階段の目地は階段に合っていないし、何だかよくよく見ると大雑把なデザイン。

 

f:id:aurakei:20170823224155j:plain

階段のギザギザの形は天井を伝って、正面玄関前の天井にまで及んでいます。

それを力強くRC梁が受け止めています。

 

f:id:aurakei:20170823223644j:plain

階段へ至るスロープは苔むしていました。

これはこれできれいなスロープですね。

 

f:id:aurakei:20170823223853j:plain

反対側の階段のデザイン。

樹木のような手すり。

階段のギザギザの形が壁や、奥のサッシ?にまで及んでいます。

こちらは構造美というより、繊細な印象です。

 

f:id:aurakei:20170823230243j:plain

軽快な階段、重い階段、重い階段と連なって行くのです。

そういえば、反対側の階段も、そこに至るのは金属製手すりの軽快なスロープでしたね。

この建物は、真ん中のコンクリートの床がアコーディオンみたいな鉄骨の蓋を受ける、コンクリートの力強さを強調して造られているように見えます。

 

f:id:aurakei:20170823230749j:plain

庭園らしきものも、廃墟になっていました。

 

使いみちのない廃墟のようにしか見えませんが、宮崎の大学が2027年まで賃借しているので、それまでは取り壊しとはならないようですが、

その後どうなるのかは分からない建物ですね。