建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.124⌒★加治木町の石造建物【姶良市】

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鹿児島中央駅から宮崎方面に出ている特急きりしま

鹿児島中央駅から、加治木、霧島、都城と抜けて宮崎まで走る黒い電車。

これも水戸岡鋭治さんのデザインですが、こういう、いかつい表情の電車から、指宿の玉手箱号のようなポップな印象のものまで幅広くデザインできるところは、さすがですね。

 

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とはいえ乗って行くのは、こちらです(特急料金がかかるから)。

普通電車で、CTと書いてあります。奥にも、車体の色が少し違うCT電車が見えますね。

CTは「Commuter Train」の略で、

つまりそのまま通勤者の電車のことですね。

ひだひだが先頭に付いてしまっている、無骨なデザインで、

このCT 817系電車も水戸岡鋭治さんのデザインだそうですが、九州はもうどこもかしこも水戸岡デザイン。

他にデザイナーは、小田急ロマンスカーなどの岡部憲明氏や、TRAIN SUITE 四季島などをデザインした奥山清行などいますが、世間一般にはそんなに知れ渡っていません。

 

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加治木駅から800mのところにある加治木図書館は、国の登録有形文化財です。

三方に縁側が周っている和建築ですが、倉庫と化してしまってるようでした。縁側があるところに同じように庇が廻っています。

その、下屋部分がこの建物のデザインの決め手になっています。

 

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この通っていいのかだめなのか分からない図書館脇の通路を通って行くと(だめかも)、

 

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裏に石造の倉庫があり、これも有形文化財で、この敷地には、全3棟の文化財登録の建物がありました。

この倉庫に使われている石材は、加治木石と言って、火山天国・鹿児島県内ではたくさん採れる火山灰が固まった溶結凝灰岩です。

大谷石の外観で、デザイン上も非常に良さそうな石。

調べてみると大谷石も、溶結凝灰岩なんですね。石の成分が似ているのかもしれません。

鹿児島県内だけでなく、日本は火山天国なのです。

 

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かっこいい形のくさび。

石材は同じでも石仕上げでデザインを形成しています。

 

加治木石は、初代の帝国ホテルに使われましたが、2代目のフランクロイドライト館からは大谷石が使われているようですね。

 

 

関東から遠くて有名でない加治木石。関東から遠くても有名な水戸岡鋭治氏。

いち早く有名になった方がその地位を総取りしてしまうんでしょうか。