建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.102⌒★山城に登りたくない武将たちの主殿【八王子市】八王子城

山城の八王子城は往復で50分ほどの登山。

バスはちょうど1時間に1本なので、登って降りてくるだけならばちょうど良い時間です。

終バスの1本前のバスに乗って来たので、次のバスが終バス…

しかし、

八王子城から下山した時、

御主殿跡

が麓にあることを発見してしまいました…

(´Д`)

 

八王子城の観光は実は2段構成

若干の登山を伴う、頂上の本丸を目指すコースと、駐車場・バス乗り場からほとんど水平に、御主殿跡へ向かうコースの2コースあります。

御主殿跡と本丸は向かう方向が全く違うのです。

 

御主殿跡のことは全く知らなかったので、泣く泣く終バスは諦めます。

駅までバスで15分程度の道のりだったので、何とかなるでしょう。

(山登りでもう足はガクガク…)

 

f:id:aurakei:20170530204141j:plain

行きに通った八王子神社入り口の鳥居。

ここから上へ登って行くと、本丸跡の頂上へ。

しかし、御主殿跡はこの手前にあるガイダンスセンターみたいな建物の脇を通って左側に行った先にあります。

 

f:id:aurakei:20170601213417j:plain

あまり整備されてない本丸コースに比べて、ばっちり整備された御主殿コース。

踏んでもビクともしない橋に歩きやすい通路*.+゚。

実は、本丸跡に行く人は、城マニアの方だけなのかもしれません…(こちらが王道)。

 

f:id:aurakei:20170602215628j:plain

同じ位置に昔、橋があったことが分かり、そこに橋をかけてあるそうです。(曳橋

どんな橋の姿だったかは分からず、こんな橋ではなかったかもしれません。

片方の土台が盛大に崩れています…(;´・ω・)。

 

f:id:aurakei:20170602220006j:plain

橋を渡った先の石垣はそのままだそうです。

元々は土に埋まっていたというので、この美しさは相当にクリーニングをしてつくりあげたものだと思います。

 

f:id:aurakei:20170602220600j:plain

御主殿跡は、礎石だけの広場になっていました。

ここは、城主であった北条氏照(not氏輝)の居館であった場所で、山上の本丸ではなく、麓のここで政務などをとっていたものと思われます。

北条氏照は、北条氏3代目氏康の3男。信長の野望でいうと統率83、武勇80、知略73、政治62でどちらかというと戦に強い万能型の部将でした(外交も得意)。

八王子城が豊臣軍により落城させられた頃、氏照は小田原城にいましたが、小田原城の開城降伏後、切腹して果てました。

八王子城はその後家康により廃城となり、今に至ります。

 

f:id:aurakei:20170602222151j:plain

主殿があったと思われる場所の周りには、庭園跡が保存されています。

池の跡もあったというので、枯山水ではなく、池を眺めながら、過ごしたのでしょう。

この庭園は主殿から見ると、北向き(北西向き?)に配置されています。

南からの太陽光が庭を照らし、順光で美しい石や池や、その奥の城山が見られたことでしょう。

 

落城時、御主殿は北条氏照の妻を始めとして、次々と身を投じました。(さっきの曳橋の上流の方)

そのあと、主殿の池には山上の悲劇が投影されたのです…。