建築遺産のlog!

世界中の建物に行けるといいな

No.56⌒★コンテンツ不足の観光地【藤枝市】大旅籠柏屋、木和田川砂防堰堤のつたの細道公園

西焼津駅田中城蓮華寺若王子古墳へと登って降りてきてだいたい8㎞ほどの距離になります。

まあまあの距離ですが、山登り(若王子古墳)があるとぐっと疲れますよね。

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古墳の山から降りてきて、蓮華寺池の山小屋風のそば屋月見天ぷらそばを食べ(490円)、

 

近くの白子商店街からバスに乗り込みました。

30分に1本しか来なかったからその長い長い待ち時間で、甘栄堂のサッカーエース最中を買うことになったわけです。

藤枝市出身のサッカーエースというと、サッカーをあまり知らない僕でも、

長谷部誠

中山雅史

名波浩

 …と、そうそうたるメンバーだと分かります。

バス待ちをしている間にも、サッカー部ご一行様の貸し切りバスが通り過ぎていきました。

 

30分待って、やっとやって来た路線バスに乗って20分ほど行った先は、

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岡部宿大旅籠柏屋です。

大旅籠、というだけで柏屋がヒットする、そんな場所です。

1836年頃に建てられた、登録有形文化財の建物。

最近改修が加えられたようで、新しい建物に見えます。

 

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中では弥次喜多さんが、女中と話をしていますね。

何をしているんでしょうか、足を洗っているように見えます。

この先にある、険しくて有名な宇津ノ谷峠を通って来て、足が疲れてしまったんでしょうか。

 

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隣には岡部宿の本陣の跡地があり、きれいに更地にされていて、昔あった本陣の部屋の名称が記されていました。

 

 

この跡地も芝生がきれいで新築のような感じがします。

奥に見える数棟の和食処も、土産屋などの建物も新築。

駐車場も、門も、あれもこれも全部新築。

 

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さっき弥次喜多さんがいた建物内部の梁を見ると、この建物が古いものだということが分かります。

 

ただ、観光地としてはたいして面白いことはなく、すぐにここを後にしました。

結局、古い建物は1棟だけで、あとは面白みのない観光施設が連なっているだけなのです。

 

そこからまた30分に1本のバスに乗り込みます(新静岡駅行き)。

 

宇津の谷峠の「坂下」バス停で下車。

トイレも無い国道のPAみたいなところで降ろされ、そのまま細い道の方に入って行って5分ほど歩きます。

ここには

「つたの細道」公園

という公園が整備されていて、

 

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揺れて少しこわい吊り橋を渡ったり、

 

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この石積みの木和田川砂防堰堤を見て楽しむという、マニアックな公園です。

砂防堰堤自体は有形文化財に登録されていて、

その昔、明治の終わり頃にこの川が決壊したため、当時の政府は段々畑のようにいくつもの砂防堰堤を築きました。

 

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そのためたくさんの堰堤が段々と並んでいます。

最初の堰堤は、兜の形に似ていることから兜堰堤と呼ばれています。

また、石積みはモルタルなどを使わずに積み上げていく空積という手法を取られています!

…などということを楽しむのがこの公園なのです。

 

さて、そんなマニアックなこの公園は、

駐車場やトイレもばっちりと整備されていて、藤枝市の気合いが伝わってくる公園なんですが、

利用者は1人だけでした…。

大したコンテンツでもない堰堤や本陣跡に必要以上の整備を進めてしまったんですね。

 

他の都市の砂防堰堤に行ってみると、

だいたいは道なき道のようなところを上った先とか、どこにあるのかも分からないといった、

「観光」としては全く期待されてない地味な存在です。

そんな、砂防堰堤を観光地にしようとする藤枝市は珍しい存在なのです。

 

公園内には工事の様子や、堰堤の構造などの説明板が立っていて、勉強するためにはとてもいいと思います。

また、子ども連れで来て、探検して帰るのもいいでしょう。

もうすでに整備してしまったんだから、みなさん行ってあげましょう…。