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No.42⌒★岳南鉄道沿線のたてもの【富士市】富士のかぐや姫伝説は複雑な近親関係

あけまして、おめでとう御座います。

元日と言ったら、富士!というわけで元日の今日は富士にちなんだ話で1年をはじめましょう…。

 

工場街を抜けていく岳南鉄道

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岳南鉄道は、

富士駅沼津駅の間にある、JR吉原駅を始点にぐるっと岳南江尾まで東へ向かう鉄道です。

なんだか芋虫みたいな姿の電車に見えます。

 

岳南鉄道の路線延長は10㎞にも満たず、途中には宿場町だった吉原の市街地を通り、たくさんの工場街を通り抜けていきます。

 

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車両はオレンジの1両編成の芋虫と、「かぐや富士」と書いてある2両編成の緑色の電車の2つがあるようです。

 

かぐや富士…

この辺りの地に伝わる、かぐや姫伝説。

 

富士とかぐや姫の伝説

……帝の后を探していた使者が竹取の翁の家に宿をとりました。

そこで美しいかぐや姫に出会い、帝の后として迎えいれようとしました。

しかし、かぐや姫はそれを拒み、富士山へ登ると言い出したのです。

富士山は恐ろしくて誰も登らない山。おじいさんとおばあさんは、悲しみにくれました。

しかしかぐや姫の意思は固く、一人で富士山へ登って行きます。

かぐや姫は富士山の山頂へ登り着き、そこにある洞穴へ入って行きました。

実は、かぐや姫は人々を救う、浅間大菩薩だったのです!

 

というお話なんですが、知っている話と違う…(゚д゚)

かぐや姫は宇宙人の月人だったはずが、富士山の仏様になってしまっています。

偉大な富士山の姿を毎日見ていると、かぐや姫を月よりも富士山に登らせたくなったんでしょうか。

 

浅間大菩薩は菩薩と名前が付いていますが、神仏習合により、それは浅間大神のことを言うようです。

浅間大神木花咲耶姫コノハナノサクヤビメ)のことで、天照大神の孫を夫としています。

木花咲耶姫には子もおり、その子の孫が神武天皇です(つまり曾孫)。

曾孫が神武天皇だとすると、かぐや姫に求婚した帝というのは、どの天皇か分かりませんがかぐや姫から見ると曾曾曾・・・・・孫ということになります。

 

何だか複雑な話になってきました。

 

求婚を断ったのは、つまり近親者だからですね…。

かぐや姫などの神々は長く生きることができるのに、天皇の命は短命だ(せいぜい100年ぐらい)、というところに話の問題があるのです。

実は、かぐや姫の夫が、かぐや姫の醜い姉と結婚しなかったため、その後の天皇家が短命になってしまったのです(よくわからんが、醜い姉はそれを防ぐ力があった)。

そのせいで、かぐや姫が子孫の天皇家より長生きしてしまったんですね。

 

というそんなこんなの伝説があり、緑の電車は「かぐや富士」号と名付けられたのだと思います。(長い…)

 

予想外に長くなってしまったので、「岳南鉄道沿線のたてもの」と題を付けておきながら、たてものは一切登場せず終わります。

(*_ _)