No.32⌒★日向薬師の落慶【伊勢原市】黒橙ツートン本堂
落慶は落成のことですね。
慶の字が入っているのでより喜ばしい感じがします。
横浜からなら相鉄線で海老名まで行って、小田急線に乗り換えて4駅ほど下りましょう。
東京からならきっと、どうにかして新宿まで出て小田急線で来るんでしょう。(がんばってください)
伊勢原市は、もう小田原にも近いのでかなり遠く感じます。
伊勢原駅前は、紅葉で有名な大山方面バス停に100m以上のバス待ちの人の列が並んでいて、次々と隙間なく臨時バスが出発していました。
山が赤くなったぐらいで並んでまでよく行くねえ、と思いつつ日向薬師行きのバスに乗り込みます(少し行きたい)
日向薬師行きバスは、まあまあ満席なぐらいです。
日向薬師は山の中にあって、
数百段の階段(とはいえ200段ぐらい?)とか、階段とも石とも言えない、まあつまり石の上とか、ぬかるみとかを歩いて行きますが、
落慶とあって、老若男女、普段は山登りどころか歩くこともしなさそうな人がたくさん来ていて、
わずか数十段しか登ってないところでゼエゼエ言って泣き言も吐いている人が大勢います。大丈夫か、あの人たち…。
石はとても滑りやすく、滑りにくい靴が必要だと思います。
山門を入って行きます。
赤い恐い仁王像が待ち構えていました。山門は伊勢原市の指定文化財。
何百段かの階段やらぬるぬるした石やら、ぬかるみを上り詰めた先に、日向薬師(本堂)がありました。
ケーブルテレビの撮影なども入っていて、まさに文字通り、落成を慶び祝っている雰囲気でした。
できたての茅葺の本堂は350年振りに新装されたことになります。
開基は奈良の大仏も建立した行基と言われています(716年)。
仏教が大きく発展していった時代です。
「薬師」なので、本尊はもちろん薬師三尊。
日光が強烈な光で闇を取り払い、月光がそれを受け止めて、淡い光で人々を優しく導いて行きます。
薬師如来は瑠璃光という宝石のような光を出して人々の病を治します。
三仏とも光を操る達人なのです。
黒、と橙系統の柿色に近い色で外壁は構成されていてかっこいいコーディネートです。
ファッションなら、
「大人っぽくきめた、おしゃれな秋冬コーデ♪」となる色の組み合わせですね(知らんけど)
胴の長い獅子が舞っているようにも見える木鼻と虹梁。こちら向きには獏(象?)もいます。
獅子や獏はきれいに塗り替えられていて特に目なんかが表情豊かに見えます。
それにしても夢を食うという獏と、現代も生きているバクは違うものなんですね。
Wikipedia大先生のページには、獏は実はパンダのことのようだ!みたいに書いてあります。
ここにいる獏はパンダとは似ても似つかぬ、長い牙を持った獰猛そうな動物になってしまっています。
動物のバクには、長い牙はありません。
龍もいます。
他のお寺の龍などもこんなふうにぎょろっとした目をしていたんでしょうか。
塗り直してみると違う表情に見えます。
非常に美しい軒先。
これがまた、350年ぐらい経って改装されるのか分かりませんが、どんどん色を失って、古くなっていくのは惜しいことです。
今が見頃のお寺です。
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