No.31⌒★【伊豆の国市】韮山の長い歴史を記録した史跡群と江川邸
韮山反射炉へは韮山駅ではなく伊豆長岡駅から行けますが、江川邸は韮山駅から行きます。
江川邸とは江戸幕府の韮山代官所の代官、江川氏の邸で、その36代英龍により、韮山反射炉が建設されることになりました。
江川家は北条氏、後北条氏に仕えましたが、小田原征討の時に寝返り、豊臣方に付いたのでのちにご褒美で韮山代官となることができました。
あの時江川家が寝返らなければ!
もしかするとここに反射炉はなかったかもしれないし、パンの登場も少し遅れたかもしれません(江川英龍は日本のパン祖)
そして小田原城の落城が一日ぐらい伸びたかもしれませんね(知らんけど)
江川邸玄関です。やはり観光客はこちらからは上がれません。
裏へ回りましょう。
ここを上がって奥は突き当りで、右に行くと「じゅくの間」、左に行くと「ししゃの間」があります。
じゅくは、塾でしょうか。
ししゃの間の奥には「ひかえの間」があり、さらに奥に行くと「だいどころ」など、プライベート空間になっています。
つまり左の塀の向こうはプライベート空間。
「ししゃ」はプライベート空間と公共空間のちょうど中央ぐらいで応対させられます。
江川邸は形から見ると、元は茅葺だったんでしょうか。そんな形をしています。
江川邸の見どころは、広い土間に掛けられた小屋組みの姿だと思います。
誰も見てなかったけど…。
土間から見た真上。ジャングルジムのようにたくさんの架構がなされています。
もっと屋根を低くすればこんなすごい架構は必要ないのに…。代官は大変なものです。
肥料蔵。
何棟か建物があり、全部合わせて、重要文化財指定されています。
駒の形をしているので駒蔵とも呼ばれているそうです。
◎江川家住宅(国指定重要文化財)
国宝・重文(10件/2444件中)静岡県内(1件/33件中)
近くにはいくつか史跡があって、これは北条氏邸跡。
伝堀越御所跡。
願成就院跡。すべて跡地になっているだけでした。
堀越公方の家督争いで、茶々丸が兄弟を殺害して堀越御所の主になったとか(1491年頃)、堀越御所にいた茶々丸が、北条早雲の襲撃によって殺害され、願成就院に葬られている(1493年頃)とか、実は茶々丸は生き残っていて、後に甲斐で殺害された(1498年頃)とか、きな臭い話が次々と出てくる跡地です。
戦国時代はもう始まっていたのです。
北条氏邸跡は、鎌倉時代になるまで北条氏が本拠としていたところで、戦国時代とは時代が違うようです。
つまり、この辺りに、鎌倉時代までの北条氏の本拠と室町時代の鎌倉公方の本拠があり、韮山周辺はとても重要な地だったことが分かります。
◎願成就院跡(国指定史跡)
◎北条氏邸跡(国指定史跡)
◎伝堀越御所跡(国指定史跡)
史跡名勝天然記念物(12~13件/3051件中) 静岡県内(5~7件/80件中)
これで伊豆の国市はひとまず終了。