No.29⌒★横浜港を取り巻く船たち3氷川丸
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大さん橋の隣の山下公園には、氷川丸が永遠の停泊をしています。
奥には山下ふ頭の物流倉庫群が建ち並ぶ、その横に氷川丸はいます。
係留の鎖にいつも鳥がとまっていますが、カモメか、ウミネコなのか、判別が難しくてすぐにはわかりません。
さらに調べてみると、カモメでもなくウミネコでもなく、ユリカモメ、という選択肢もあるようです(´Д`)。
ウミネコは、口ばしの先っぽだけが黒い鳥、
ユリカモメは、口ばしが全体的に黒(赤?)っぽい鳥、
カモメは、口ばしが全体的に黄色い鳥、のようです。
上の写真のこいつは、くちばしが全体的に黒っぽいのでユリカモメなんでしょうか。
顔が真っ黒なのとか、冬羽、夏羽やら幼鳥やら、同じ鳥でも色が違っていたりするので、とてもすぐには分かりません(´Д`)。
乱舞するユリカモメ?の群れ。背景は横浜ベイブリッジです。
鎖に並ぶユリカモメと思われる鳥たち。背景は大さん橋埠頭ビルと、みなとみらい建物群です。
こいつらは多分、観光客が投げるかっぱえびせんを食べたいがためにここにいつも並んでいます。
氷川丸は今年、2016年の告示によって重要文化財に指定されました。
「建造物」の重要文化財ではなく、「美術品」の中の「歴史資料」としての指定です。
「歴史資料」は他に、国宝の慶長遣欧使節関連資料、伊能忠敬関連資料、琉球国王尚家関係資料などがあります。
とても同じ種類のものとは思えないですねえ…。
氷川丸は船なのに、これら資料群と一緒くたにされているのは、
1930年に日本郵船により貨客船として建造されながら、戦時中は病院船に改修され、戦後は貨客船や貨物船として再改修、つまり原形をあまり留めていないからでしょう。
歴史の資料、としての価値は十分にあるわけです。
実際、東京海洋大の重文・帆船明治丸は「建造物」として指定されています。
一等食堂はトップライトもついていて明るい空間です。
幕のような、ルーバーのようなデザインの出隅が取り巻いています。
上下階には、アールデコ風味な階段で上り下りします。
一等喫煙室のトップライト。
喫煙室なのでもくもくと大量に吐き出される煙は上へ上へ、真ん中の一番高いところにあるくぼみまで上って行くことでしょう。
そして一番上の枠には、よくよく見ると小さな穴がたくさん空いています!
そこから煙はどんどん外へ吸い出されて行くのだと思います。
実用性と、デザインが同時に考えられていますね。
随所にデザインがほどこされているのが分かります。
天井ににょきっと出ているのは、空調の吹き出し口だと思われますが、
どうやら、自分の方に風が来るように吹き出し方向を変えることができるようですね。
マッカーサーも宿泊したホテルニューグランドは船からよく見えます。
氷川丸は総トン数約11600トン、定員331人、全長163mです。
飛鳥Ⅱは総トン数約50000トン、定員872人、全長241mと、規模は5倍です。
規模ほど定員は増えてないので、その分、エンターテインメント施設やら、レストランやら付帯施設がたくさん増えているんでしょう。
氷川丸で長い航海に出ようとは、あまり思わないかもしれません…。