No.25⌒★【多治見市】モザイクタイルミュージアムは2D建築物!
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セラミックパークから下山し、東鉄バスに乗ってまた振り出しの多治見駅へやってきました。
毎回多治見駅へ戻って来なきゃいけないんですが、各スポットを結ぶバスを作ってくれないでしょうか(-"-)。
振り出しの多治見駅からは、再度東鉄バスに乗って、南へ、南へと向かいます。
2006年に多治見市に編入された笠原町に、
モザイクタイルミュージアムはあります!
設計は奇人変人の建築史家・藤森照信氏。
正面から見ると、極端に扁平な姿をしています。
出っ張っているのは、わずかに吐水口と玄関の庇だけ。
奥行きなどという概念は無視されています。
土の山から、モザイクタイルを切り取っているような意匠ですね。
壁には茶碗やらが埋め込まれ、塗材にはこれ見よがしに藁か何かが塗り込まれているのが分かります。
斜めから見ると、少し奥行を感じられます。2Dの建物ではありませんでした。
横。屋根材は何か、陶器を使っているんですかね。
屋根上部には開口があるようです。
裏。出っ張りが出てきましたが、茶碗壁など、手は抜いていません!
多治見市はセラミックパーク、そしてこのモザイクタイルミュージアムがあるように、陶器の町で、たくさんの陶器の工房が点在しています。
多治見市と、隣の土岐市なども含めた広い範囲で美濃焼がつくられ、
なんと日本の陶磁器生産量の半分を占めているそうです!
南隣にある瀬戸市の瀬戸焼、名古屋市の南には常滑焼と大規模な陶磁器生産地が周辺にあります。
そんななか、モザイクタイルに特化してしまったのが、この多治見市笠原町です。
モザイクタイル。銭湯で見かけるようなモザイクタイルや、玄関に合いそうなものやら、たくさんのデザインがこれまでに考案されました。
モザイクタイルは、小さなタイルを寄せあわせて埋め込み、絵や模様付けをする「装飾美術」なのです。
暗い土壁の階段室を抜けて、まずは最上階に順路があります。
半屋外の最上階。暑い風が入り込んでいました。
夏暑く、冬寒いことでしょう。
自然を愛する建物家の藤森さんの考えからのものかもしれません。
屋根上部にあった開口部は、これですね。
モザイクタイルアートから、古いモザイクタイル事例の紹介などの階でした。
窓からはアプローチがきれいに見えます。芝生は2種類敷き詰められています。
3階ではモザイクタイルの造られ方などの紹介と共にイベントなどが行われていると思います。
この日は散らばっている文字を並べて組み合わせて文章を作って自己満足にひたる、というイベントが行われていました。
老若男女、みな夢中になっています。
藤森照信さんの造る建物らしく、ハードとしての建物も、ソフトとしてのミュージアムの内容もすばらしい建物でした。
◎モザイクタイルミュージアム
設計:藤森照信
開館:2016年6月4日
構造:RC造4階建