No.23⌒★紅葉はもうすぐの天狗のふるさと【南足柄市】2最乗寺
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大雄山駅から徒歩7,8分の南足柄市文化会館は佐藤総合計画設計、
音響担当は、巨大ホールにはいつも名前が出てくる永田音響さんでした。
別名は金太郎みらいホールというらしいですね。金太郎におんぶに抱っこの町です。
人口4万人の町に、座席数約1100人+300人の大小ホールを備える文化会館は本当に必要なんでしょうか。
この日も、敷地内外は閑散としていました。
★★
さて、南足柄市街の建築はそんなところだと思うので、最乗寺へ向かいます。
ビール工場でたらふくビールを飲んだせいで少し不快感があります。
バスが45分待ちだったのでタクシーで移動しました。1450円。
タクシーのおじさんは、疲れるだろうからと境内まで乗り付けてくれたんだけど、できれば門から入りたかったんですが…。
最乗寺は山だらけの南足柄市の中でもほぼ中央部にあり、
まわりを、山と山と山に囲まれている自然深い場所にあるお寺にも関わらず、
登山者から写真が趣味の人、家族連れなどたくさんの人が訪れています。
写真は築地本願寺など、寺院設計も多く手掛けた伊東忠太氏の設計。
最乗寺は1394年に了庵慧明禅師によって開山しました。
開山の折り、妙覚道了という人が空を飛んできて、その怪力を生かして開山を手伝ったそうです。
了庵が亡くなったあと、妙覚道了は天狗となり、最乗寺の守護神となったそうです。
了庵が亡くなるまでは、まだ天狗ではなかったんですねΣ(・ω・;)。
空も飛べたのに…。
天狗の妙覚道了は、その怪力は500人力と言われ、土木工事や普請を手伝いました。
500人力とは馬力に換算すると、1馬力=4人力だから、125馬力に相当します!
なんと、トラクターよりも力持ちなのです。(トラクターは100馬力程度)
というわけで、この寺にはたくさんの天狗がいました。
結界門の前には狛犬の代わりに阿行吽行の天狗たち。
お寺には天狗の履物とされる鉄下駄が多数奉納されています。
二つ一組で夫婦円満の願いのようですね。
上から下までほぼ一色で揃えられていてシックな印象です。
真ん中のおまんじゅうの部分もいつもの白ではなく、銀色に近いグレー色で引き締まって見えます。
何より森の中に建つ多宝塔はいいロケーションですね。
御供橋。真ん中の橋は僧のみが通ることができます。
さっきの狛犬代わりの天狗がいた結界門より先が天狗の妙覚道了の領域に入り、そのお供えものをする時に僧が通る橋、ということで真ん中が通行禁止になっています。
お供え物を持った僧のみが真ん中を歩けるわけですね。
御真殿。やはり天狗の妙覚道了をご本尊に据えられています。この周りに鉄下駄が納められています。
さらに先へ進み、300段ほどノンストップの階段を登って行くと、奥の院があり、このお寺の終点です。
天狗は飛べるからいいものの、人間にはかなりきつい階段です。
奥の院には天狗様の本地である十一面観世音菩薩が祀られています。
本地とは、仮の姿である天狗に対して、本来の姿、という意味ですね。
天狗は実は十一面観世音菩薩様だったのです!
…というお話を知ってから行くと楽しめるかもしれません。
そして、行くなら最乗寺に行ってから、ビール工場へ行きましょう!
ビールで酔っぱらった足で階段を登るのは非常に危険で、しかも不謹慎な気がします。(T_T)試飲があるとは知らなかったんです…。