No.21⌒★話の長い家【熊谷市】
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埼玉県の熊谷市。
熊谷は、中山道の宿場町として栄え(8番目の宿)、源平の戦いの頃の熊谷直実などという人が有名です。
電車は普通の3両編成。
運が良ければ、沿線でSLが走る姿を見ることができます!
SLを見たければ、時刻表を調べて待ち構えるか、
それが面倒であれば、沿線にすごいカメラを持ったおじさんが何人もいれば、それがSLが通るサインです。
おじさんたちはSLを撮るために今か今かと土手で待ち構えているのです。
SLの名前はパレオエクスプレスと名付けられています。
どこかの南の島の民族衣装…ではなく、秩父にいたという謎の大型ほ乳類パレオパラドキシア、に由来するようです。
パレオパラドキシアは海洋動物で、カバとかセイウチに似ていた、と書いてあるので、秩父の方まで昔は海だったんですね!
現在では山奥の秩父ではパレオパラドキシアや、チチブクジラなどが泳ぎ回っていたようです。
ひろせ野鳥の森駅で下車。
名前の通り、駅前から広大な野鳥の森が広がっていて、まさに鳥の聖地になっています。
カラスしか見えなかったけど…。
駅から2㎞ほど南へ歩いた林の中に、
林の中に、
平山家住宅がありました。国指定重要文化財。
完全に民間の敷地内に建っていたので、必ず住民に声を掛けてから入りましょう。
農作業中のお爺さんに声を掛けて入りました。
重要文化財というだけあって、他の茅葺建物よりも立派な気がします。平成に入ってから、葺き替えをしました。
右が農家の入口、一番左の戸あたりが、偉い方がくぐる入口ですね、きっと。
中は電気はなく、昼間でもまっくら。
現在はもったいないことに倉庫としてのみ使われています。
ここでさっきのお爺さんがやってきて、戦国時代から江戸期ぐらいの話を延々と聞かされました…。
それによると、上杉家の深谷城の家臣(家老?秋山家?)だったこの家は、ある時お城が落城してしまい、ここに城主が逃げ込んだことがあったそうです。
上杉家の話はそれまでで、さらに時代は下り、江戸の後期になると名主を務め、いろんな陳情をしに江戸へ何度も往復したが、陳情の度に近くの田畑を少しずつ切り売りして口利きをしてもらったりしたので土地がどんどんなくなっていった、というようなお話でした。
上杉家というのは、この近くの上杉諸家の一つの深谷上杉家のことでしょうか。
その後は、重要文化財として指定されても、持ち出しのお金が多すぎてとても維持できない!というような愚痴もたくさん聞かされました…。
文化庁の方、熊谷市の方など、ご支援よろしくお願いします( ノД`)
そしてさんざん聞かされた後、やっと解放されました…。
◎平山家住宅(国指定重要文化財)
年代:1700年代頃
構造:入母屋造、南面及び西面庇付き、東面葺き下ろし、下屋付属、茅葺
国宝・重文 (7/2444件中) (埼玉県内 1/24件中)
★★
熊谷駅へ戻ってJRでさらに進み、籠原駅。
1㎞ぐらい歩いた先にある「さくらめいと」は池原義郎氏設計です。
池原さんはガラス張りの公共建築をよく建てている印象がありますが、
これもやはり全面ガラス張り。
エレベーター昇降路が聖堂の尖塔みたいに上へ上へと延びているのが印象的です。
駐車場がアスファルト敷ではないので、じめじめしています。
床材、壁材が煉瓦調でなかなか良い印象だと思います。
外壁にガラス空間が張り付いた、そんな建物にみえます。
さくらめいとのさくらは桜ですが、めいとはミュージック、アート、シアター、エクスプレッション?の頭文字を合わせた造語、「mate」だそうです。
Expression(表現)は、それほど一般的な単語ではないのでちょっと、苦しいものがありますねえ。
「mate」ありきだったんじゃないのー?
Wikipedia大先生のさくらめいとのページも、「Explecssion」と、つづりを間違えて書いてしまっています。2カ所も間違ってる…。
◎さくらめいと(熊谷文化創造館)
設計:池原義郎
竣工:1997年平成9年