No.7⌒★藤沢市の戦前建築たち
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藤沢市にやってきました。
藤沢と言っても、あまり有名な地名でもでなく、藤沢市内の江の島とか、鵠沼、辻堂といった地名の方が有名だと思います。
藤沢宿は東海道五十三次の6番目の宿で、歌川広重が描いたのは、やはり江の島でした!
藤沢駅から、江ノ島電鉄に乗って、終点江の島に行きたいところをぐっと堪えてマイナーな駅、石上駅で降ります。
ここには鵠沼橘市民の家というやや古い建物があります。
藤沢市HPによると、
市民の家とは……
「市民が自由に集い、
語らい、
学ぶことで市民同士の連帯意識をはぐくみ、
健康で文化的な近隣社会を形成することを目指した施設」、だそうです。
藤沢市内に41カ所もあり、
申し込むには、まず鍵を借り、空き状況を確認して、申請書を作成、そしていったん鍵を返しますΣ(´д`;)。
それから利用許可書を提示して鍵をまた借り、市民の家に設置してある利用券を購入して、利用後は後片付けをして鍵を返すんだそうです。
めんどくさっ…(;´Д`)
鍵を借りていったん返して、また借りるという意味不明の工程が入っています。
利用料金は4時間で300円ほどと、採算度外視の価格設定です。(そして維持管理費用はたぶん市民の税金から…)
この日は土曜日にも関わらず、この市民の家はひっそりとしていました。
誰が何のために使う施設なのか、とてもなぞです。
ひっそりとしてカーテンも閉められたままの鵠沼橘市民の家。
屋根の色はなかなか斬新な色をしています。屋根には換気口でもついているんでしょうか。
元々は医院建築だったものを転用したようで、部屋がたくさんあるのは診察室などの小部屋として使われていたものですね。
感染症予防のためにも、屋上の換気口は必要かもしれません。
竣工:1933年昭和8年
構造:木造平屋建銅板葺
国登録有形文化財(10/10715件中) (神奈川県内 1/207件中)
★★
石上駅の反対側に回ると、
フランク・ロイド・ライト風の建物が現れます。
設計したのはライトの弟子とか、使徒とか、物まねとか呼ばれた遠藤新氏です。
横の目地がずいぶん目立っていて、何となく安っぽく見えるのが気にかかります。
ライトのプレイリースタイルの住宅を模倣したものでしょうか。
↑ライトのプレイリーハウス。全体的な感じが似ています。
横方向に目が行くけど、実は縦方向のデザインも多い住宅です。
中へ入ることができ、レストランになっていました。暖炉が残されています。
暖炉は図面通りに、実にしっかりと施工されていますねえ。
障がい者就労支援施設「軽食&喫茶すかいはーと」として営業しています。
安めの値段設定で、この日の日替わりセットはエビフライ&クリームコロッケで650円(飲み物付)でした。
従業員はとてもやる気に満ちていて、いい雰囲気だと思います。
ただ、最後にやってくる飲み物はなかなか出てこないので、こちらから言いましょう。
2階は和室ですが、やはり安っぽく見えるのは僕だけでしょうか。
やはり弟子は師匠を超えられないんですかね…。
この建物は移築されたものなので、雰囲気は違うと思いますが、L字の建物に囲まれ、庭にはぶどう棚があります。
◎旧近藤邸(国登録有形文化財)
設計:遠藤新
竣工:1925年大正14年
構造:木造2階建スレート葺
国登録有形文化財(11/10715件中) (神奈川県内 2/207件中)